花に関するコラムです

No.303 「2025年3月12日のコラム」

道ばたの雑草をはじめ、さまざまな植物の開花が楽しみな季節です。いかがお過ごしでしたか。3月のコラムです。

日本には法定の「国花」は無いのですが、国民に広く愛されている「サクラ」は、事実上の「国花」として扱われています。

日本人がなぜ「サクラ」をこよなく愛するのか、その理由によくあがるのが、開花を心待ちにしていても満開になるや、あっという間に散ってしまう「潔さ(いさぎよさ)」や「儚さ(はかなさ)」に美学を感じる、ということです。

実際、「サクラ」は満開から1週間ほどで散ってしまいます。雨や強風にさらされれば、もっと早く散ってしまいます。

ところで江戸時代、芝居を無料で観る代わりに見せ場になると、役者に声をかけて芝居を盛り上げる役目をする人を、「サクラ」と呼んでいました。その語源は、お花見も無料で見られることと、その場限りの盛り上がりがパッと咲いて潔く散る「サクラ」のようだ、ということに由来しているそうです。

明治時代になると、露天商などと売り子がつるんで客になりすまし、店を冷かしたり、わざと高値で買ったりする仕込み客が現れました。これも「サクラ」と呼ばれるようになり、「偽客(サクラ)」の当て字が用いられました。

現代では、調査機関が結果を良くするために、調査対象者の中に送り込む回し者も「サクラ」、オークションなどで指値を吊り上げるために紛れ込む者も「サクラ」と呼ばれます。

「偽客」はともかく、今年も潔い「サクラ」の開花を心待ちにしましょう。

 

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