3月のコラムです。いつもと違う春を、各地で迎えていることと思います。一日も早く、花を楽しめる春に戻ってほしいですね。毎年3月は「桜」の話題をお届けしています。今回は、花名に「桜」がつく花の話をしましょう。「桜」ではないのに「桜」の字が使われている花は、ざっと120種以上はありそうです。「桜」と色が似ているもの、形が似ているもの、咲く時期が近いもの、などなど。いかに「桜」にあやかりたいかが、うかがわれます。それほど「桜」は偉大なのですね。 たとえば「桜草」。サクラソウ科サクラソウ属、名前の通り「桜」に似た花を咲かせる多年草です。原産地は朝鮮半島や中国、日本では北海道南部から九州の山野の湿地に自生していますが、近年は野生種は減少しているそうです。 園芸種の人気も高い「桜草」は、江戸時代から栽培されています。江戸時代後半には、愛好家により新品種の作出が競われていたそうです。日本で約300種ある品種のうち、半数は江戸時代から伝わっている品種だそうです。 ギリシャ神話では、婚約者をなくした青年が悲しみにやつれ、死んでしまい「桜草」に変身したとのことから、西洋では「桜草」は、悲しみのシンボルとなっているそうです。イギリスでは棺に飾る花として用いられています。 よい季節になります。山野に出かけて深呼吸したいですね。 「桜草」の花言葉は、初恋・憧れ・純潔。
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